2008/2/14 強制執行の犠牲になった猫たちの救出

1月末頃、また強制執行で退去を迫られている家の猫を救出してほしいとの連絡が入りました。とある集合住宅で、猫を多頭飼いしていたそうです。
飼主である住人が退去する前に猫の保護を、と思ったのですが退去日を待たずすでにどこかに引越して連絡が取れなくなっていました。
飼っていた猫はどうしたのか。引越先に連れて行ったのか、あるいは部屋の中に置き去りなのだろうか、と色々な不安が頭を過りました。

執行日は2008年2月14日。
早速保護に駆けつけてみると部屋の中は散らかり放題。餌はおろかトイレすら整えていなかったらしく、ありとあらゆる所が糞まみれでした。
飼主が出て行ってから水や餌を与えていなかったため、猫達はガリガリにやせ細っていました。それでも見たことのない私達から自らを守るため怯えながら必死に身を隠そうとしていたのです。この数週間、暖房もない寒い部屋の中でどんな心細い気持ちで飢えと寂しさと戦っていたのでしょう。少しでも早くここから出してあげたい!必死で猫達を捕獲してキャリーバッグの中に入れはじめました。
当初聞かされていた数は8匹。その8匹を捕獲した後で何となく他にもいるのではないかという気になり、まだ探していなかった場所を徹底的に探しました。
案の定、押入れの積み重なった布団の中とバスタブの中に隠れているのを発見しました。猫の数は全部で10匹だったのです。


帰る車の中、10匹の猫達はずっと鳴き続けていました。
その声が「泣き声」に聞こえて仕方ありませんでした。ずっと信じて一緒に暮らしてきた飼主から裏切られた悲しみ、置き去りにされた孤独感、お腹がすいてもごはんも食べられない、水すら飲めない。
この子達が何か悪いことをしたのでしょうか。ごくありふれた飼い猫だった、それ以外になにもないはずです。なのに飼主が飼えなくなったが為に半分捨てるように置き去りにされてしまったのです。それでもなお恋しい飼主が迎えに来てくれる日を待っていたに違いありません。

動物は決して裏切ったりしません。恩を忘れることもありません。ましてや受けた恩を仇で返すようなことも絶対にしません。裏切るのはいつも人間です。動物と違って善悪の判断をつけることだって出来るのです。その人間が平気で動物たちを裏切り続けています。物質的に豊かになったのはいいけれど、大切な「心」が失われてしまって残念です。

こんな悲惨な目に遭ったこの子達に早くやすらぎを与えたい気持ちでいっぱいになりました。
まずは体力の回復と精神の安定するのを待って獣医さんに診ていただきます。

今この猫達は安全な場所で保護されています。少しずつですが心を開いてきており、抱き上げるとじっとして私の顔を見つめるのです。決して攻撃しようとか逃げ出そうとかしないのです。中にはゴロゴロと喉を鳴らしてくれる子さえいます。ひどい扱いをされたとはいえやはり飼い猫だったのですね。心の傷が完全に癒えたらどんな人懐こい可愛い猫の素顔を見せてくれるでしょう。そして今度こそ終生共に暮らしてくれる家族に恵まれるように祈りました。

尚、この猫達の里親募集は各猫の健康状態などを慎重に観察しながら随時行っていく予定です。
1匹ずつの詳細も写真と共に後日掲載いたしますので、今しばらくお待ちください。
※写真は保護した当日の2008年2月14日に撮影したものです。

2008/3/12掲載

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